tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

パウル・クレー|おわらないアトリエ 感想

月曜日の朝。5月の陽気。吹き抜けが開放的な館内。
京都国立近代美術館へ、『パウル・クレー展 おわらないアトリエ』を見に行ってきました。

クレーは油彩転写を始めとし様々な方法で作品を制作しているのですが、今回の展覧会は、作品をその製作法ごとに分類展示する構成となっていました。
例えば描いた絵を切断してそれぞれ別の作品とする方法。
展覧会のチラシにうまくそれが取り入れられており感激しました。

↑こちら、開くとこう↓なるんですね。

上半分が『カイルアンの眺め』、下半分が『カイルアン、門の前で』というタイトルです。マジックアワーのような色彩がみずみずしいですね(=ω=
チケットもおされですvV このピンク色が絶妙。


さて、実際に美術館に足を運ばないと味わえない楽しみのひとつが、絵画の額縁です。写真などでは省かれてしまうんですよね。
『隠者になった子供』という絵は、ひとまわり大きい、こげ茶色の木製の額縁に飾られていました。その額縁にはシンプルな銀色の花の模様が描かれているのですが、実に良かったです。その絵がかけられているクレーのアトリエの写真も同じく展示されていて、その絵がもとあった時代と場所の雰囲気が少し感じられました…。

クレーの絵は小学生の落描きのようなものも沢山あります。
中には頭大丈夫かwwふざけてるだろwwと言いたくなるようなものもありました(失礼
私はおもしろいなぁwと思いながら眺めていたのですが、真面目な顔をしてまじまじと見つめているおじさんや、芸術はわからんなと笑いながら前を過ぎていく若いご夫婦などがいらして、感じ方は人それぞれだなと改めて思いました。

そんなクレーの作品ですが、どれも『沈む世界を覆って霧がたなびく』といった詩的なタイトルがつけられていて、クレー自身はどういう考えからこれを描いたのかと思いをめぐらすひとときでした。


印象的だった絵を一部だけメモしておくと、『花ひらく木』と、そこから再構成された『花ひらいて』 海の中から太陽を見たような、紫陽花みたいな絵だった。

あと『鉛直』がすごくこわかった


同館のコレクション・ギャラリーもみてきました。

河井寛次郎さんの、ひとかかえもある大きな鉢が良かったです。あの土の粒子の飾らない粗さ、焼かれた感じ、釉薬のとろみと透明感、重みのある堂々とした姿…惚れる///←

エルンストの作品を久々に見れて懐かしかった
相変わらずマティスはてきとーだし(笑)

「遙」という題の、遠くへ続く山並みの景色をうつした花器があったのですが、英語タイトルが「Far in the Distance」となっていてちょっともったいないなと思いましたね。


さてさてこうして美術館を堪能した後、私はとにかくオタショップをめぐってテンション上がるのですが、それはまた別の話(笑