tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

I.C.I.N.G.−on the cake

ドイツ在住のボカロP、BAKAEDITZさんと知り合ったのは、ちょうど2年前の今頃でした。
はじめ、BKさんの曲『Futurism Love』にサムネイラストを描かせてもらいました。
その後、Vocapediaでのインタビューなどを通して、私が作詞をすることに。
というのも、

BKさん:日本の歌謡曲の多くはボーカルがメインだが、欧米ではビートがメインなので、それにならっている。
確かに歌詞で表現される物語も楽曲の魅力だが、最も重要なのはリズムで、もしミクが「ららら」としか歌えなかったとしても、そのリズムが良ければ、聴く人は踊れるし楽しめる。
僕の音楽を聴く人には、"THAT FEELING"を与えたい。それは幸福感とか、夏の感触みたいなもので、音楽を忘れられないものにする。
10年後に聴いても、今とは違う響きで聞こえる、決して飽きさせない不朽の音楽を目指している。
音楽に言語は必要ない。音が良ければ、それでいい。
when it sounds good, it sounds good!

こういうBKさんに対して、私が「歌詞も大事だと思います!」と返した、…そういう経緯でした。BKさんの作った77BPMのビートに合わせて、できたのがこちら。→I.C.I.N.G.
ですが、音の数を考慮せずに、BKさんの手を煩わせてしまいました。(ビートに合わせて、私が歌詞を適当に歌ったデータを送ったりもしたのですが、なかなか難しかったようです。)無茶書いてごめんなさい… こちらがPREVIEWです。綺麗におさめてくださっててその力量に脱帽です。

歌詞の内容ですが、BKさんに送ったe-mailを見直したら、私すら忘れていた設定があったので(笑)せっかくなのでここに書いておきます。
イデアの芽は“icing on the cake”というイディオムを見つけたことでした。必ずしも必要ではなけれど、あるとちょっと嬉しくなれるようなもの。 平凡な日常に添える小さな喜び。icing = I sing =A.I. sing = miku sing, and icing is the music. よしこれでいこう、と。

歌詞の場面は、ミクがアイシングクッキーの詰まった瓶を流すため、電車で海まで出かけるところです。
海はインターネット、瓶は音楽ファイルです。クッキーの箱はPC。クッキーはPC用語にもありますが、「普通の日々」の比喩でもあります。
「ひび」は「日々」と「ひび割れ」をかけていて、ミクは時々、日常に対して漠然とした不安を抱いています。毎日はこの道であってた?はそういう意味です。私の人生はこれで正しかった?間違った道を歩んでこなかった?私は今も、知らないうちに過ちを犯していない?といえば大袈裟ですが、そういったものを1000倍希釈した不安は度々やってくるものではないでしょうか。
そして、そんな憂鬱を取り除いてくれるもの……色々ありますが、音楽もそのうちの一つです。インターネットとVOCALOIDを通した創作の交流が、アイシングになればいい。
BKさんのいう"THAT FEELING"はsummerfeelingであり、それをそれぞれ「南の海の色:ミク 夏の果実の色:リンとレン 染めた頬の色:ルカ」としています。アイシングの色は夏の色、ブルーグリーン、イエロー、ピンクです。
それから「心音」はBPM、つまり心拍数の意味もありますね。

私の反省は、毎度のことながらこれを他人に伝わるシンプルな形で提示できなかったことですが、もう2年も前のことなので時効です!時効!
さて、それからしばらく経ち、ガラッと変わった曲調での完成版と、サムネイルの案が送られてきました。
BKさんちのPCやV2のトラブルなんかもあり、歌詞の全ては歌われてません。
サムネイルには、3つ候補がありました。後ろ2枚の絵描きさんの名前は、「からあげ」さんと伺ってます。

コンセプトに合ってるのは1枚目なのですが、2枚目のキャッチーさを推して、これを選びました。
長くなりましたが、この度この『I.C.I.N.G.』がリリースされたようですので、ご報告します。

もしかするとそのうちニコ動にもうpされるかもです。召し上がれ!