tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

luminous flux ジャケットアート メイキング

いろいろ考えたので書いておきます。
◆ジャケット

タイトルと一緒にいただいた文章が ( 確かどちらもTumblrTwitterで公開されています ) 『寂しさは森を抜け鳥になる。雲と雨は響き合って、夕暮れの街に降る。君と僕は、さよならと手をふって旅立っていく。そっと涙を流して「わすれない」と言う かもね』というもので、ここから考えました。「さみしさ透過光」や「雨漏り」の画風でとのお話だったので、厚塗りで青を基調に、森、街、鳥、旅、光束、雨、別れ、その辺りをモチーフにしてます。一見シンプルだけどよく見ると凝ってる、とか、取り組みたかった課題もいくつか意識しつつ。
曲の歌詞や曲調を見ていると、何か遠くのものに対する想いが、ホワイトアウトする未来と、心をうっすらと苦く締め付ける過去、届かないものに対して歌ってしまう、ありえたかもしれないifの想像、うまく言えないのですがそういう印象を受けました。描かれた子の視線がこちらに向いていないのはその表現です。ただ希望は残したいとのことだったので、うつむいてはいません。
同人ではない絵の依頼で、十数枚ラフを描いて結局ボツということがちょこちょこあったのですが、今回はほぼ初期案のまま最後まで通りました。
◆バックインレイ

ジャケットと同じく湖底を歩いています。湖については後述。
◆企画

アルバムの内容とは関係ないんですが、ミクさんには勝手に森の精霊エーコーになってもらいました(・ω・)
エーコーがミクさんっぽいなとは前々から思っていました。歌と踊りを好む若く美しい女性、長命であり、木霊の擬人化であり…、友人を助けるため、あるいはゼウスの妻の怒りをかって、オウム返ししかできなくさせられたエーコー。自分から話せないためにナルキッソスへの恋も叶わず最後には声だけの存在になってしまうエーコー。湖畔の水仙。好きな人を追って湖に入って、そこで閉じ込められてしまったとしたら。ディスクを湖に見立てて、記録された音声を読み取るとしたら、その光束はluminous flux!繋がった!天才か自分!みたいな。すみません。
(もう1つ、恋の恨みで山羊飼いに八つ裂きにされる、歌の節がバラバラになるというネタはまたどこかで使いたいです。)
CDを買ってもデータを取り込んで管理することが多いなら、物自体に何かネタを仕込みたい。と、あれこれ見立てを考えた結果、こうなりました。
◆ジャケット裏側
湖畔で森といえば東山魁夷のイメージですね。コローも思い浮かべましたが、今回はディスクに写すため、真横からのアングルである必要がありました。

奥行を意識して木の配置を決めました。白状しますがこの木のシルエットはフリー素材です。使えるものは使うぜ。ただそのままではイメージに合わないので上から塗りつぶしていきます。

なんでこんな泥臭い方法なんだとボヤきつつひたすら油彩筆で塗り塗り。色の配置で悩みました。木の合間に霧を流して雨上がりの湿度にすがります。完成。

印刷では多分すごく小さくなってしまうのですが、木の根元にきのこ、ミクさんの髪飾りに水仙です。
◆レーベル面


「さみしさ透過光」でネタにしたセロトニンをロゴに。六員環と五員環でbacon8の8にも見えます。空に置くと星座にも、レンズフレアにも見えるかなぁとか。レーベルの白から鳥が飛び立って、下の階層、水面に影が落ちるのを表現したかった。水面の緑色は森の絵の空からとっています。
◆キャップ(完成品とは異なりますが)

bacon8さんの一作目と、ベーコンさんのベストアルバムのジャケの両方にフォークがあったので、新作でもこっそり引き継ぎました。DNA複製が進行する部分、2本鎖をほどいた間に新しい鎖が伸びるところを、複製フォークと呼ぶそうです。2人のコンポーザーから新しいものが作られるイメージにぴったりですね?複製フォークの話は後付けですが、歯は2本、右肩上がりのグラフに見える向きで描いてました。

イデア出しにこの絵を描いて、その後ベーコンさんDSさんからの案で帯タイトルが決まりました。
◆遊びで作ったもの


◆まあそんなこんなでよろしくお願いします。
他にも何か思い出したら追記します。