tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

本と展覧会

スワロウテイル人工少女販売処、読みました。
手元にあったのに、なんでもっと早くに読まなかったんだろうとも思うし、今このタイミングで読んで良かったとも思います。読み進める時に、理解していく快感があります。

◆第三の性:なぜ3ではなく2なのかという疑問は常にあって、でももし3つめの性質が加わったとして、それを発現するか・しないかという2択になるのだから、結局は2だ。濃度ごとに分類したり、閾値を設定したとしても、そもそもその1つのものがあるか・ないかのどちらかでしか存在できない。
◇鏡像関係も免疫機構も、自分か他者(自分でない)かの2で、性別は(それぞれの部分において)Yが発現するかしないかの2だ。皮膚や粘膜はその2の境界で、刺激も言葉も境界を出入りする。出入りはコミュニケーションで、その成立には個の維持が必要?境界の無い広場で集合しても誰がそれを観測する?
◆意図のない設計や乱数を求めていたけど、観測する人間が前だけ見て単線のトロッコに乗っているなら、人間にとっては「わからない」のだから、可能性は失われていないのでは?
◆他人を認識できるようになる、コミュニケーションがとれるようになる。精神の発達過程における外部の確立は、免疫の獲得や更新とも通じる。ヒトは発生から成長の過程でそれをこなすが、初めから大人として起動する人造人間では自己を用意して与えなければならない。
◆感覚質(クオリア)/感受性/体性感覚が変わると、常識が変わる。
◆「種のアポトーシス」の原因:チューブワームに住む細菌だったかそういう存在に、人間が分解・理解されるという種明かし。まどマギでほむらが絶叫した「まどかを、支配するつもりね!」に近い。人間は探求のためにあらゆるものを分解してきたのに、いざ自分が対象とされると神聖を侵された様に怒る。でも、こういう怒りは、高貴な感情?尊厳、自尊心、誇り。自らは侵されざるものだという傲り?
◇「まどかを、支配するつもりね!」あの台詞はぞくぞくきた。ほむらと一緒にQBの話を聞き、種明かしに理解が追いつく瞬間に、彼女の感情が臨界点を突破するスリル。快感。
◆天才がキーとなる部分はクロスロオドにもあった。
◆水先案内人(ガイド)達が、匿名・無名の書き込みを共有し物語を組み立てるのは、ネットでボカロ見てると理解しやすい。
◆個体の壁を越えたいなら、自分の壁の高さを低くすればいい。壁を無くすと個体が消えコミュニケーションが成立しなくなる。
◇「熱いよぉ」とか、性的快感を高めるのは実感の強さ?

とらのあなさんの店舗にうちの夏コミ新刊が置いてあると報告がありました!(>д<)ゝ”冬コミで在庫は全て返本してもらうから、店頭にあるのは今から一ヶ月間だけだと思われます。自分の本がとらの棚に並ぶとか胸熱です…!

◆スプツニ子!とか高木正勝とか見てきました。人間の身体を、皮膚を被ったブラックボックスのように捉えているのでしょうか。生理マシーンとか、皮膚がどろどろ溶けたりとか、仕組みを飛ばして現象だけみてるようで、釈然としません。
◆なぜピルがあるのに使わないの?と言うのに、女装男子に生理を体験させるのはやや疑問です。生理マシーンは下腹部の痛みとタンクからの擬似出血を備えた機械でしたが、生理という現象の一部しかすくえていないと感じました。胚を宿しうる内臓があって、調整はホルモンを介して全身に関与するので、このマシーンはちょっと簡易すぎるのではないかと…。汗をかくと不快だから発汗を止めればいいじゃん、ってことなんでしょうか。でもムダ毛は無駄だと思ってるので、価値観の違いなのかな?こう…もっと面白く深めたものが作れるんじゃないの?って思ってしまうのは、私がこの展示以外を知らないからかもしれませんが。
◆高木氏の映像は、脳内の映像化に成功してるんだろうな、という印象はありました。
◆常設の船越桂が良かったです。木彫ですが、胸が上下しているように感じられました。キスで目覚めるのかなとか。