tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

豊島美術館など

パスポートを買わずに、瀬戸芸を兼ねて島にちょこちょこ行ってます。
◆豊島。島の緑が、他の土地より潤って見えるのは気のせいでしょうか?
この溝の水の青緑、いい色すぎる。そばにある『いちご屋』さんのかき氷が逸品。

豊島美術館。見終えてすぐ興奮してツイートしたの貼ります(手抜き)

豊島美術館、最高だった。水があんなに美しい姿でいるのは初めて見たし、他にないだろう。建物はコンクリートの膜で、内部は予想より大きく広い。人々は思いおもいの場所で水を眺めていて、避難所のようでもあり、SFの香りもする。湧き水を祀る神聖な空気もある。

水滴は水銀のようにも見え、床を走る姿は深海の生物が多数の足を波打たせるようだった。波打ち際で丸くなったガラスや溶けかけた氷の破片に似た硬さかと思えば、天井からの風に肌を震わせたり。天井の二つの穴はジェームズ・タレルの四角い空と違って、見る角度によって形の変わる柔らかな楕円だった。

ひとつの穴からは水色の空、もうひとつの穴からは瑞々しい緑が見えた。風が流れ込んで穴にかけられた糸をたわませていた。靴を脱いで床に座って、そのまま他の鑑賞者と共に、1時間でも2時間でも眺めていたかった。豊島美術館はこのためだけの美術館だが、ほんとに素晴らしい。必ず行くべき。

これはアートより美術だなと思いました。短い時間しか滞在できませんでしたが、満足度がかなり高いです。 電気を使ってないから…? 
照明や音響を用いて人工的に五感を延長する体験型”アート”や、過激だったり下品だったり極端にフレンドリーな”アート”は、個人的にはまあまあ、という位置付けです。何かしらの再発見や、今までに無かったアイデアを与えてくれるものは好きですが、それはデザインかなと思います。私の好きな美しさは、感覚を呼び覚ますぜ刺激するぜ!っていうのと逆の方向のもので…。よく「(現代)アートは解らない」と言われますが、豊島美術館のそれは、そういう意味では現代アートっぽくなかったです。尖ってなく、説明も不要で、その場がただ満ち足りている感じ。陳腐な表現だけど心洗われる感じ。なんだろうなぁ、すごく良かった。写真がダメだったので見たものを絵に起こそうかなとも思いましたが、少し描いてやめてしまいました。画力が追いつかないw
あと珍しく、他の鑑賞者さん達の存在が心地よい館内でした。館内と言っても、天井はさほど高くなく、柱は一本も無いし、水滴の中に入ってしまったみたいな建物なのですが。小さな女の子がしゃがみこんで興味深げに水滴を眺めていたり、じっと座って時折何やらメモしている若い男性、静かに談笑しつつくつろいでいる海外からの旅行者…。案外水滴の近くまで自由に近寄れるのですが、というよりも歩いていると おおここにも水滴あったのか、という感じ。総合して雰囲気は、神様のいない神社っぽかったかもしれない。
コンクリート打ちっぱなし系美術館は特に好きというわけではないのですが、ここのコンクリートはすべすべでパール地ですごく綺麗でした。コンクリは維持が難しいと聞くけどどうなんだろう。
適当に撮ってしまいましたが、外観。白いお餅みたいなのが美術館です(迫真

美術館のある場所はかなり高くて、眺めが一番いいと思います。

ここにたどり着くためには汗をかかなければならなかったので、朝までの大雨のためか冷たくなった風が格別でした。

美術館入口付近で入場待ちしてる間に撮った写真↓

見事な棚田もあります。

あと何故か水田に白い花が咲いてました。

豊島美術館、15時前に着いて最終回の最後の一枚の整理券が貰えたのでほんとにラッキーだった。でも今日は人が少ない方だと思う。高速艇も臨時便などありますが整理券が必要です。皆様瀬戸芸へお出掛けの際はお気をつけ下さい。


↑家浦港近くにある廃墟っぽい建物と西日。

・クリスチャン・ボルタルスキーも良かったけど、豊島美術館に上書きされてしまう。ボルタルスキーの心臓音は、真っ暗な部屋の中にランプがひとつあり、心臓の鼓動の音と連動してそれが光るというもの。目が慣れる前、入ってすぐが良い。前に進む足がすくむほどの暗闇と、喉まで振動の伝わる音響。

・ランプが光るので逆に、目は開いてるし見えてもいるのに、それでも周りがわからない暗闇を意識させられる。奥の壁に大きなスピーカーが設置されているのや、壁にかけられた大小の鏡が床に光を反射しているのが、目が慣れてくるとわかる。

・ひとつこわかったのが、若い男女の3人組が入ってきて、帰りぎわに何故か笑い声を上げながら鼓動音に合わせて手をとって輪になって飛び跳ね始めたこと。それなんてデヴィッド・リンチな光景だった。


↑夕陽がラズベリー色でした。
◆男木島。急な斜面に民家が立ち並び、迷路みたいな路地に惹き込まれます。

路地、シャッターチャンスだらけで、何度歩いても飽きません。

港のすぐそばに『まりも荘』という民宿があるのですけど、お昼ご飯も食べられます。ここで出して下さる魚のフライがものすごく美味しい。
島の小中学校では会田誠さんが滞在製作中で、その姿が見られます。

あと帰りに素敵な方々に見送ってもらえますw これは島を訪れた人のお楽しみかな、と思うので、写真はなしで…。