四谷シモン人形館・淡翁荘へ行ってきました。
裸体の人形の写真など載せていますので、苦手な方はご注意下さい。念のため
その建物は外から見るとベージュ色の四角い箱なのですが、入口の扉を開けると昭和初期の洋館が出迎えてくれます。外観の素っ気なさとは裏腹に、その中には手入れの行き届いた贅沢で高密度な空間があります。
人形の前に建物に驚いたのでまずはその写真を。凝ったデザインの照明に三角の椅子、丸い椅子、組木細工の床。
さて、「人形の前に」と言ったのには訳があります。
こちらの展示方法は実にユニークで、自分で扉を開けるとその中に作品がある、というものなのです。例えば↓こちらを開けると
Σ(゚д゚;)!?
初めに館のおおまかな案内をして下さった方が「びっくりなさらないでくださいね。うふふ」と仰っていたのですが。
あの、びびります、これは。
公式HPの写真でも見たことはあったのですが、やはり本物の存在感は桁違いですね。目力が。こちらも同じく、二枚扉を隔てた先に佇んでいます。
廊下の襖を開けると。
↓こちらの人形は…エロいですね。非常にエロチックなおじさんの人形です。
好みです。←
人形と言うと可憐な少女を連想しますが、ここには男性の人形が沢山展示されています。…「展示されている」と言うよりも「居る」と言った方がしっくりくるくらい館の雰囲気にぴったりはまっているのですが。印象的だったのが、どの人形ももれなく男性器がつくられていたこと。シモンさんは性的な視点が強かったようです。上のおじさんの人形も、腕の毛まで植えられていてこだわりを感じました。
少女の人形。
…こちらも 非 常 に 驚かされました。扉を開けると足元からこちらを見ているんですもの!
下の女性の人形なんですが、腕に開けられた穴やあざの様な赤色、剥がれ落ちた皮膚、濁った瞳…。上の少女と対照的な姿です。
先ほどの白いドレスの少女の人形もそうでしたが、男性的な骨格に、目鼻筋を強調する舞台メイクをほどこしたような顔立ちです。シモンさんご本人も女装してアングラの舞台役者をなさっていたそうで、そのこともあってかと思います。
押入れの中にはこちらの少女の人形。プラナリア…
こちらの人形達は、この館に来る前は廃病院に居たそうで、↓の人形は手術室の床の台に展示されていたようです。ヤバイ
階段下の分厚い扉の金庫の中には天使とキリスト
後ろ姿…
人形の魅力には取り憑かれると後戻り出来なくなりそうです。人形の写真集はいくつか見たことがありますが、やはり実物を前にすると全然違うなと思いました。大竹京さんの作品が見たい!
人形は、特に球体関節人形は動かせるところに意味がある、固定してしまえばそれは彫刻だ、という書き物があったのでメモ。
人形館の濃厚な世界を堪能した後、近くの商店街を散策しました。すぐ傍にショッピングセンターが出来てしまったためかすっかりさびれていました。アーケードの、所々欠けてガタガタするタイルには薄く砂埃が積もっていて何とも言えない雰囲気です。シャッターにはモナリザや東海道五十三次等、有名絵画が描かれていました。
でも理髪店や喫茶店で人が話していたり、工事中のおじさんとトラックのおもちゃを持った少年が話していたりと、人々の息遣いはとてもあたたかでした。
なんとも心に残る土地でした。