tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

手ぶくろを買いに

病院の廊下に掲示されている絵の前で足を止めました。
画用紙に水彩、小学生らしいタッチで「手ぶくろを買いに」のワンシーンが描かれています。
一面の雪野原を月の光が照らす中、狐の母子が歩いている。
月の明るさで薄くなった夜空は緑に、川は凍らずに月を映す。
何よりもしみじみと良いのが、月の光がまっしろなはずの雪を透明な桃色、水色、山吹色に、オーロラをそっと被せたように彩っていること。
なんて気取ったように書いてしまいますが、気取らない筆運びで置かれた色が素敵で素敵で。
私はもう描く絵も見る絵も、ごてごてにひねくりまわして考えて、あざといなーと思いました。

「手ぶくろを買いに」は絵本だったかなーなんてググってみると、本文が読めました。
「手ぶくろを買いに」 新美南吉
本文より抜粋、『二匹の狐は森の方へ帰って行きました。月が出たので、狐の毛なみが銀色に光り、その足あとには、コバルトの影がたまりました。』
コバルトの影がたまりました。この言葉が震えるほど美しい。
美しい

あー 絵に飢えてる 展覧会行きたい

おまけ(・ω・) コバルトの絵の具がないんです