tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

円山応挙展

東京、三井記念美術館に行ってきました。
展覧会名は「円山応挙 空間の創造」

展覧会の感想の前にまず…
廊下光ってるし!エレベーターの内装木で出来てるし!展示室がまるで重厚な洋館のそれだし!
いやもう三井さん、ザ・お金持ちですねぇ…。

雲龍図屏風』
今でこそ私達はハリウッド映画なんかで、いくらでもド派手な3D映像を見ることが出来るわけですが、応挙のような時代の人達はそうではないことを考えると、
現実には存在しない龍の、これほど現実味と躍動感にあふれた姿を描く事が出来るその想像力と画力に脱帽です。

『竹雀図屏風』
少し前に渋谷でミレイのオフィーリアを見たことがあるのですが、画面の隅々までぎっちりピントを合わせて、植物も図鑑並みに精密に描き込まれていて、胸焼けがしたのを覚えています。
それとは対照的に最低限の描写で最大限の効果をもたらす水墨画。断然こっちの方が格好良いと私は思うのです。
右隻には雨、左隻には風、それから雀の重みも合わせて、竹の配置が応挙の頭の中でシュミレーションされたんだろうな…

例えば鶴の尾羽を一本のストロークで描いてしまうとか
例えば画面の端に梅の枝をすっと伸ばして後は空白とか
その潔さ!
決してセンスに任せて適当に描いてる訳ではなく、きちんと計算された構図、実力に裏付けられた線で成されているあたり、たまりません><
松の葉も竹の葉も図案化されてるのになんであんなリアルに見えるかな

『松に孔雀図襖』
額に入れて飾る絵とは違い、襖では鑑賞者の立つ地面がそのまま絵の中の空間と地続きになっていて、余白の部分がちょうど無限遠の空間に居るように感じさせるわけですよお兄さん。
まさに空間の創造!おいちょっと格好良過ぎだろう!

『雪松図屏風』
 圧 倒 的 。 流石国宝。
近付いて見てみると筆跡が判るくらい"適当"に描いてるその余裕…!
雪は塗り残しの白で表現してしまう。
松は描かれているのではなく存在しているように見える。
紙と墨と金泥でこれ描けるとかもう人間じゃないだろう…。

決して自分の敵わない次元を見せつけられて
PCのディスプレイで拡大縮小を繰り返し、1ピクセルの修正を施していた自分がちょっと情けなくなりました(笑

等伯も良かったけど応挙も良かった!