tete-a-tete

夕凪ショウの同人活動の他、行った場所や観た映画などの記録です。

SFマガジン「初音ミク」特集*感想 そのに

一番面白かったのは佐々木渉さんのインタビューです。
以下ちょっとまとめ。と、私の思った事メモ。※混ざってます


・J−POPや雑誌等で取り上げられるものは、企業が世代ごとにターゲットを絞ってそこへ向けて提案するもので、ネットのリアリティとはまた別。
・今は世代ごとの風潮が無い。…高校生でニコニコ、大学生でスカイプってのが世代感な気もするけど

・ボカロブームは ネットで流行→日本全国で流行していると誰もが錯覚→本当に流行する という嘘から出た真、のような現象
・現実とネットが逆転。今雨が降っていることもツイッターのTLで知る、地震が起こったことも、きっとそのうち世界が終わったことも。

・すでに飽和している過去を否定できず、留めておくしかない閉塞感の中で、現実とは切れたネット空間の自由さ
・リアルは不安 現実に根拠が無く、現実味が無い。
・二次元を対象とすることの安心感 相互関係でなく一方的な好意/行為だからこそ安心して惚れ込める、安心して愛せる

・シンギュラリティ=機械が人間を超える特異点 ミクは歌い手として人以上になれる?

・ミクは人工知能でなく人工無能.からっぽだからこそ何でも受け入れられる
 肉体という唯一無二だが生々しくてわずらわしいものを手放した一方で、ミクそのもののコピーが可能となった。
 ミクはイメージとして人々に認識され、いろんな人に等価に共有され愛でられ複製される。その存在が忘れられることが死。
 複製が止まると死をむかえる、というのは生物的でおもしろい。

・調声:人が人を作る 声から女の子を想像するけど、その実 存在はしないという虚無感

・ミクだといえば聴いてもらえる、ミク使ってないけどタイトルに【初音ミク】とあるインスト曲も。 
一個人が創作する→見てもらいたい→注目され、かつ自由度の高いミクというタグを使うのは同人として当然の流れ

それはこのSFマガジン然り。
ミクというプラットフォームから、様々なものに出会うことができる。ミクじゃない記事も読んでみたけど、なかなか面白かったな。
人は、現実から意識というフィルターを通してフィクションを生み出し、それを現実として認識している。人間には知能と意識があるが、知能のみならず意識も、ネットに流れ出して外部化し始めているって話とか。

んー。これがボカロの面白いところ。だからミク廃はやめられないw