不始末さんの初音ミクオリジナル曲「みみずワーズ」
初めて聴いた時から、タイトルの意味が分かってから、イメージが溢れ出て止まりませんでした。
技術さえあればPVを作りたいところでしたが、それには及ばす。映像もちゃちゃっと作れるようになれたらなぁ…!
という訳でどぞ。
ほんとはひとつながりの一枚絵にしたかったのですが、SAIではそんな大きなキャンバスは処理できないようだったので分割しました。
線が文字になり意味を持つ瞬間についての歌を絵で表すにはどうしたら、と考えて。
主人公は16歳のミク、肩にかけている黒くて四角いものはカルトンです。四つ切の画用紙等を持ち運ぶ時に、紙が折れないように挟む板ですね。画版の代わりにもなります。芸術系の進路に進むか否か迷っている高校一年生、という設定です。リンちゃんも友情出演してます。
一コマ目の月は、エルンストの森の絵のパクりです(・ω<)-☆
不始末さんが「裸足のカラス」をどういう意味で歌詞に組み込んでいるのかを汲み取れず、ミクの心をかき乱す言葉を口にした人?という想像をしました。ナンセンスの種は、絵具ののった筆です。
不始末さんの考察(http://fushimatsu.blog63.fc2.com/blog-category-9.html)を読んで、ツタ→繋がるネットワーク、コミュニケーション、という連想で、ミクにはケータイを持たせようかとも思いましたが、最終的にアイテムはマフラーになりました。空想世界では翼になろうとしてます。
幼い頃の絵は本人曰く『おかあさん』や『わんわん』だったとしても、ただの丸をぐるぐる描いてあるだけのものだったりします。これは「みみずの這ったような文字」と同じですね。絵は人が歳を重ねるにつれて成熟し、写実的になり、ある地点で、このミクの場合は16歳の地点で、その絵を職業として選ぶか、趣味に留めるかという地点で分かれる訳です。みみずはラフ画、「美しい音」は線画、という描き分けにしています。
『きみ』をミクとすれば、「想像力から逃げる」はスランプに陥ったミクかもしれません。白いツタに覆われたキャンバスはその表れかも。
また『きみ』を第三者とすれば、日常生活でのコミュニケーションに齟齬が生じて、ミクは自分の気持ちを理解してもらえていないと感じているのかもしれません。
「見せかけの空」の部分は、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説にあった、世界の端っこをつぎはぎして作った世界、のイメージです。そこではそれぞれ色合いの違う空がつぎはぎになっているそうな。見せかけ、と言いながら写真を使っていて、どっちがリアルなのか逆転してるよーな。
…と、そんなことを考えながら描きました。
原曲の素晴らしさには全然追いつけませんが、描いてて楽しかったです!
この歌を音素の集合体であるミクが歌うところにまた味わいがありますよね