東山魁夷せとうち美術館 に行ってきました。
展覧会名は「千住博 青の世界−東山魁夷からの響き−」
今回は千住さんの滝シリーズのうちでも、
蛍光塗料をエアブラシで吹き付けて描いた滝をブラックライトで照らし出すという展示方法になっています。
展示室は暗く涼しく、青く浮かび上がる滝が目に入った瞬間は薄気味悪く感じました。
滝の部分は、クラゲの足のような、澱のようなものが連なって揺らめいているようで
水飛沫の部分は、塗料の粒子が星屑のように散ったり、霧のようにゆっくり動いたりしているようでした。
森の中にある滝ではなく、真夜中の海に天の川の水が流れ落ちているように見えました。
滝が流れ落ちる先の水面の描き込みが、全体を締めると同時に奥行きを感じさせて、画面に対しては少ない面積しか占めていないのに流石だなぁ…
少し離れて見てみると、松林図屏風を思い出しました。滝を描いているというより、滝をモチーフに借りて空間を構成している感じです。日本画ですね。
ライトの色がうつろう様子は映像に近かったです。
絵の前に立って、不思議な空間を満喫することができました。
ただ安らげるかと言われるとまた少し違っていて
こういう表現方法に取り組むのは若い感覚だなと思いました。
別の作品の、映像の水墨画については動かす必要はなさそう…
東山魁夷の絵は、ホテルのロビーに飾ってありそうでそんなに好きでもないんですが
岩の崖を流れる滝の絵があって、ああ千住さんがイメージしていたのは山の中ではなく崖にかかる滝なのかも知れないな、とも思いました。
本当に小さな美術館ですが、また立ち寄りたくなるところでした。